プロポーズの結果はもちろん、オッケー。

スタジオはこれまでにないくらいの拍手で満たされた。

チャレンジには失敗したのに誰もが幸せな時間を共有していた。

「良かったね。上手くいったね、プロポーズ。」

「ああ…」

今日はやたらと口数が少ない亜也斗。

なに考えてるんだろう。

もしかして、番組のせいで変に意識して困ってる?

亜也斗にはそんなつもりないのかもしれない。

きっと亜也斗にとって私はこれまでもこれからも幼馴染みでしかないのかも。

やっぱりスイカやめよう。

これ以上、ここにいるのつらいかも。

亜也斗も微妙な顔したまんまだし…

よし、花火は最近、絵の追い込みで引きこもりになってる美弥ちゃん誘って行こう。

高校ラストの夏休みの思い出は女友達と有意義に過ごすんだ。

そう思うのに視界が緩みそうになる。

ダメダメ、こんな顔してたらますます亜也斗を困らせる。

これからもうちららしく幼馴染みとしてやっていかなきゃなのに。

「やっぱり今日は帰るね。」

そう言って立ち上がろうとしたら右腕を引っ張られてまたストンと座らされた。

「えっ?」