「100秒チャレンジ駄目だったね。」

「ああ…だな。」

「この二人、どうなるのかな?」

「ああ…さあな。」

テレビの画面では残念そうに顔を歪める司会者とスタジオ内で観戦していたお客さんのガッカリ顔が次々と映し出される。

幼馴染みの彼女も笑顔を浮かべるも少し残念そうだった。

けれど幼馴染みの男だけは一人、清々しい表情で立っていた。

そして、司会者と客席に頭を下げチャレンジには失敗したけれどこの場でプロポーズさせては貰えないかと直談判した。

司会者は少しわざとらしくどうします、皆さん?なんて聞いてるけどそれはパフォーマンスだってこと誰もが理解した。

そして、司会者が少し横に反れるとまだ残ってる風船が散らばる中、男は話し始めた。

これまで幼馴染みとして接していたこと。

その関係の心地よさに崩すのが怖くて気持ちを押し殺していたこと。

けれど、回り道したけれどやはり人生をともにしたいのはただ一人だと気付いたこと。

いつだって、今日の結果のように後、一歩足りない自分だけどこれからはその後一歩を一緒に歩いてって欲しいって。