「お姉ちゃんって、ホント邪魔なのよ。
 居なくなって済々していたのに、龍生さんと一緒にいるなんて
 ホント目障り!
 でも、美乃里さんがお姉ちゃんを消してくれるっていうから
 お願いしちゃった!」

フフフという微笑を浮かべ、勝手な事を並べる義妹に呆れて物も
言えずにいると、怯えて声も出ないと思ったのか馬鹿な母親まで
言い始める。

「愛美ちゃんの邪魔をするなんて、ホント身の程知らずなのよ。
 玲の存在自体が私達には邪魔なの。
 ホント、あなたなんて産むんじゃなかったわ。」

私だって、あんたの娘に生まれたくて生まれたわけじゃない。

勝手なことばかり言う二人に、思わず唇を噛んだ。

口の中に広がる血の味にハッとする。

昨日の事、今日の囮になることを話し合った後、龍生とベットで
きつく抱きしめあっていた時、龍生に言われた事を思い出した。

「必ず俺が玲を護る。
 絶対、傷なんて作るなよ。
 傷なんてつけたら、当分ベットから出れないと思え。」

龍生のことだ、本当に実行するだろう。

今の現状よりも怖い!思わず冷や汗が流れる。


そんな私の心境をよそに、周りの状況は動いていく。

「ねえ、玲ちゃん、明日にはあなたは海外に売られるの。
 でも、その前に良い思いさせてあげるわ。
 この人達があなたの相手をしてくれるんだって。
 良かったわね。」

頭をコテンと傾けて、ニコッとしながら恐ろしいことを口にする。

その言葉を合図に、男達が私に近づいてくる。