「……海桜ちゃん、無力だなんて思ってないよね?」



「……え?」



その時、現場に残っていた杏祐さんに思っていたことを聞かれ私は驚く。



「2人が撃たれたのは事実だけど、今こうして元凶の橘 理人を自分の手で葬ったじゃないか。……充分だよ」



「……私は……」



……自分のやるべきことはできたの……?



「こいつは俺が後始末するから。蓮司と藤華で病院に行っておいで」



ニコッと笑う杏祐さんに私はまた泣きそうになる。



「……杏祐さん……ありがとうございます!」



そして私はその場を後にして走った。



……早く桜雅さんの顔が見たかった。