「「「えっ?」」」
3人驚いて、メアリーを一斉に振り返った。
「だからありますよ、ドレス」
「なんで?」
エマが不思議そうにメアリーに聞いた。
「エマが言い出した筈では?」
「えっだって王宮だし…何処かで調達できるかなぁ?って」
「マシェリー様ドレスは、ステファニー様のドレスです。
辺境伯夫人のキャサリン様が先日、ドレスを送ってきてくださり、お手紙にマシェリー様のサイズに、仕立て直して下さい。と、ありましてステファニー様が、キャサリン様の言う事は聞いておいてと、言われましたので。
私が手を入れて、完成させておきました。
今着ておられるドレスも、私のお手製です。
最近では、寝ておられるマシェリー様の洋服作りが私の楽しみでしたので」
「メアリー…ありがとう」
わたくしメアリーに抱き着き泣いてしまいました。
「ほらほらマシェリー時間ないから着替えて支度しましょう。
それにその髪どうする?女神様みたいで綺麗だけど…
そこまで長いと、人間に見えないよ。
でも切るのは勿体無いよね」
「それでは、ドレスに合わせ、私が結い上げまして、美しく仕上げてみせますわ。
マシェリー様の髪は、幼い頃から私の役目でしたから。お任せ下さい」
「メアリーお願いしますわね」
メアリーは笑顔で頷いてくれましたわ。
「メアリーって、何やらせても凄いよね。私もメアリー欲しい……」
「駄目です!エマ、メアリーはわたくしのお姉さんなのですから!
お嫁に行くまではわたくし……の……………メアリー貴女料理長様とは…?
わたくしが寝込んだから、別れたなんて…」
わたくし、顔が真っ青になりました。
あんなに仲の良かった2人が、もしかして別れるなど…
わたくしの所為でと思うと。
「マシェリー大丈夫よ。
料理長今は、王宮でバリバリ働いてるよ。
メアリーの後追って来たんだから、ラブラブよぉ~ねえメアリー」
「な、な、な、な、な、何をエマ様。
そんな事は無くはないですが………
マシェリー様、私ドレスを取って参りますのでお待ち下さい」
メアリーったら、走って取りに行ってしまったわ。
でも、安心しました。
メアリーの結婚ももうすぐかも知れませんわね。
わたくしの結婚…
未だバージル様にきちんと逢っていませんし、本当にアレクサンダーだったのかとか、あの時の事を話したいですわ。
あの子はどうしたのかも……
「マシェリー私そろそろエスコートしてくれる相手の所行かないと行けないから。
会場で会いましょう。
綺麗なマシェリー楽しみにしているよ」
相変わらずエマは行動が早いですわね。返事を返そうにも、もう居ませんわ。
「マシェリー俺もそろそろ行かないと、良い感じになったら迎えに来るから、支度しといて」
「わかりましたわ、エドウィン様宜しくお願いしますわね」
軽く手を振って、エドウィン様も行かれました。
暫くすると、少し顔の赤いメアリーが大きな箱を抱えて持って来ましたわ。
「マシェリー様、ソフィア様のドレスですわ。
旦那様と初めて婚約者としてエスコートされて主席された時のドレスだと、伺っております」
箱を開けてみると、中には……
「凄いわね!落ち着いたピンク?深緋ですか?珍しく縦のフリルなのですね。
エレガントな雰囲気でエンパイアラインでボリュームを抑えた品の良さですわ。わたくしに似合いますか?
それにこの銀色に輝く宝石は?
小さな宝石が沢山光輝いていますわ!」
綺麗過ぎて、少し気弱になったわたくしに。
「なにお仰いますか!
このドレスは、ステファニー様とマシェリー様しか似合いません。
この落ち着いたピンク色は、貴女の落ち着いた髪色と明るく神秘的な瞳と、とても良く合いますよ。
自信をお持ち下さい。
貴女は最高のレディです。
それにこの銀色の宝石は、私が一つ一つ着けました。
マシェリー様には銀色がとても似合いますからね」
「メアリー……」
「さあさあ!マシェリー様も今日という日を、記念日にされないといけませんわね。お支度始めます」
「はい!メアリー」