わたくし暫く、薔薇の芳醇な香りに包まれ、癒されていましたわ。
すると背後から、声が掛けられましたの。
相変わらずのイケメンボイスをわたくしが、聞き間違えるはずはございません。


「マシェリー嬢、お久しぶりでございます」

「ボイス様お久しぶりです。
この度はありがとうございました。
お世話になっていましたよね。
密偵の皆様が、護っていただけたおかげで、無事目覚める事が出来ました」


わたくし、きちんと御礼の出来る子ですもの。心を込めて、伝えましたわ。


「私共は、何もしておりません。
けれども皆には、伝えておきます。
貴女が目覚めた事は、主人に伝えましたので御安心を」

「ありがとうございますボイス様」


ボイス様は頷き姿を消した。

暫く待っていましたら、扉が勢い良く開きお父様、エドウィン様、エマ、メアリーが飛び込んで来ましたの。


「「「「マシェリー」」」様」


お父様…嬉しいですが、貴方が1番に号泣で抱きつくのですね…
皆様引いておりますわ…


「マシェリー目覚めたのね~
嬉しいわ、でも立つと迫力倍増ね…
女神的に後光が見えるわ」

「そうだな。お前寝てる間に、変化おきすぎだよ…でもやっと起きて良かった」

「マシェリー様、私嬉しくて…嬉しくて……うううううう…」

「マシェリー長かったぞ。
私は…私達はマシェリーの帰りを待っていた。
意識は無くてもお前は、そこに居る様な気がして居たからな」


お父様そんなにべったりくっついて…
暑いですわ。


「皆様、長い間お待たせして心配していただき、すみませんでした。
わたくし皆様の暖かい気持ち感じていましたわ。
皆様ありがとうございました」


わたくしは皆様に感謝を込めて、深々と頭を下げました。
お父様は手を離してわたくしから少し離れて。


「マシェリー良かったな。
本当なら皇帝陛下やレオン様など、此方に来たがっていたのだが今日は、王宮で舞踏会があってな。
立て込んでるのだよ。
落ち着いたら会いに来るそうだから、お前は目覚めて間もないから、ゆっくりしておいで。
私も、そろそろ行かなければならない…名残惜しいが又来るからな」


お父様は、振り返り振り返り去って行かれましたわ。

ドアが閉まって、わたくし達は大きな溜息ひとつ…。


「ねぇ宰相様はギャプが激しすぎない?噂を聞くと冷静沈着な方との意見多数で、マシェリーが絡むとアレなのね…」

「お父様の事は良いのだけれど。
エマとても可愛いドレスだわ。
薄いグリーンの爽やかなドレスで、ウエストを濃いグリーンの、レースで引き締めて。
胸元には明るい色の小花のレースが、元気に踊っていますわね」

「ありがとうマシェリー
そうだ!内緒で舞踏会に参加しましょう。
ここわ王宮だし始まって、そっと参加すれば大丈夫でしょ。
どう?エドウィン」


エドウィンは頭を傾げて少し悩み。


「そうだな…年齢的には俺達も、今回参加するし大丈夫だろう。
マシェリーはレオと婚約解消してないから本当は、レオにエスコート頼まないとダメだけど、今隣国の姫来てんだ。
レオ確か、その子をエスコートするって言ってたぞ。
珍しく嫌がってたなまあそれはいいか…それに、隣国のお偉いさんが急遽来てるらしいぞ。
だから、上がバタバタしてるんだろう。お前が参加したいなら、そっと入り込んだ方がいいと思う」


わたくしはエマの突然の提案にびっくりしました。
先程目覚め今夜の舞踏会に参加など、無茶振りではありませんか?
普通ではあり得ませんでしょう。


「わたくし舞踏会なんて…」

「マシェリー未だバージル様に逢ってないんでしょ。
確か、騎士団に居てそのまま騎士服で参加だと聞いたわよ。
ドレス着て綺麗なマシェリーとご対面なんて、どうよ」

「どうよと言われましても、ドレスなんて…無いですし」


するとメアリーが一言。


「ありますよ」