「う…うぅ~っ……きもちわるい…頭クラクラします~
…ここ何処ですの?真っ暗で、何があるのかよく見えませんし…部屋の広さも分かりません……
窓もなさそうですわね…湿った嫌な匂いもしますし、学園の中ですか?
地下か何かでしょうか?」


手足も紐の様な物で、縛られている様で、芋虫みたいな感じでしか動けませんわね。
かなり乱暴な扱いを受けたみたいですわ。
身体の色々な場所が…動かすと、痛みがありますわ。
これって数日経つとカラフルな痣だらけになるパターンですか?

床も、砂や埃でザラザラです。
顔に砂が付いて、口に入ってきますわ。ジャリジャリします最悪な状況ですわね………

魔法で、何かできないでしょうか?
先ずは、縛られているのを外したいですわね。
手首を動かそうとしても…痛っ!きつくしすぎで動きもしないです。
血もなんだか止まりそうですわ…
そうだ!」


,,ナイフ,,


「ウ~うーうーあー……」

わたくし氷で鋭いナイフを作り、口に咥える想像をしましたの。
上手にできましたわ~
先ずは手を外しましょう!顔の近くに手首を持ってくるだけでも痛いですわ…縛った方は許しませんわ!


「ウッ!」


痛っ!手首が見えなくて。
場所がわからないから、手首近くを何度も切りつけてしまいました。


,,ゴリゴリゴリゴリゴリゴリ……,,


痛い…しかも、隙間が無いものだから、手首も一緒に切れてしまってるけど、我慢です。
とても痛いですが……我慢です。
もう少しで紐が、切れますわ!もう少し…もう少し……

,,ゴリゴリゴリゴリゴ…カラーン,,

「切れたーーー!!」




カッーンカッーンカッーンカッーンカッーンカッーンカッーン....

あれ?足音が聞こえます!?近づいて来ます、寝たふり。


,,ガチャキイィィー,,

,,コトン,,


「まだ寝てんの?あいつら薬多かったんじゃないの。えっ何これ!?
血だらけじゃん。
悪役令嬢起きてんでしょ!手の紐どうやって切ったのよ?
ここって灯無いから、灯持ってきても、最初暗くて良く見えなかったんだけどさぁ~すげー手首から血が出てるよ!」


手首の痛みは我慢して。
手を使い起き上がりましたわ!
これ、本当に痛いですわ。
灯で傷の状況も良く見えますわ…酷いですわ…ズタズタです…


「起きてますわ!貴女何でこんな事したのですか?
それに何時も近くに来ては転んだり。
嫌がらせしたりしましたよね。
何故ですの?」


あの娘は、ヘラヘラ笑いながら、動けないわたくしの方へゆっくり歩いて来ましたわ。
目の前まで来て、屈みこんでわたくしの顔をバカにした様に見て。


「ねぇ~あんた転生者でしょ。
お化け屋敷見てわかったんだよね。
あれって、もろじゃんゾンビっじゃん。この国いねぇし!
ありえねぇー鎧って!あははは………

ねぇ!悪役令嬢。
あんた邪魔なんだよ!あんたのおかげで、ニコラスにも会えねーし。
愛しのレオ様もイマイチだし。

探してた攻略者も、解らないんだよ。
ぜーんぶあんたの所為だからね!
あんたを殺せば元通りなんだ!

この世界のヒロインは私なの。
あんたは悪役令嬢よ!死ぬ運命なんだから、ヒロインの私が殺してあげるわね。

ねぇ~これ見てよ!わかるかなぁ?指からビームー!」



何この娘、人差し指から細長い線が出て…えっ壁がえぐれたわ…
その指をわたくしの方へ向けて目の前で………


「どう?すっごくない?これで貴女死んじゃうからぁ~ビーームー」

「いやあああぁぁぁぁぁぁ」

「キャウンンーー」

えっ目の前の空間から、アレクサンダーが…どうして?
わたくしと、あの娘の間にわたくしを庇う様に現れたわ…


「アレクサンダー?アレクサンダー?アレクサンダー!いやだぁああアレクサンダー」