「た、たすけてください…わ.た.く.し.死.ん.で.…」

「マシェリーふざけないで!この忙しい時に!」

「なんで俺まで、関係ないのに手伝うんだよ!」


ウッ!
2人に本気で怒られてしまいましたわ…
気配がピリピリしてたので、和やかにしようとして、血糊を口から垂らし顔色も悪くして、髪もボサボサに崩して物陰から這い出る様にして出てくる、演出迄して完成度の高い出来に仕上げましたのに…


「2人ともごめんなさい。
わたくしのホーンテッドハウスのお手伝いをしていただいて、とても助かっていますわ」


謝っていましたら、横から援護射撃をレオナルド様が打って出てくれましたわ。ナイスですわ。
この方、最近神出鬼没で居場所が掴めないのに、サッと出て来て直ぐに居なくなるんですわよね。
ある意味…便利ですわね 。


「エドウィンごめんよ。
今年のイベント、色々あってかなり遅れてるんだよ。

それに役員の2人が生徒会を辞めてしまって、人数も足りないんだよね。
君達が手伝ってくれて本当に助かっているよ。

特にマシェリーのホーンテッドハウスは凄いね。
リアリティって言うのかなぁ夢に見そうだよ」


「わたくしの方も、去年お父様に企画案提出したら直ぐにお話が進み、来月から王都にある古いお屋敷を少し改造して、そこでホーンテッドハウスを創る事になりましたの。

今回はその試運転ですわ。
わたくしの企画で!
お客様がどの様な反応していただけるのか、チェックしますのよ」


意気込んでいる、わたくしの背後で、何やらエドウィン様が項垂れてブツブツ言ってますが?
何でしょう?小さくて聞こえませんわ!?


「俺!ぜーったいに入らないからな。
これやばい…ゾンビだっけ?近寄りたくない。
黒い長髪の白い服の変な動きの女…
嫌だ…マシェリーの頭の中、何が入ってんだ?
他にもゴロゴロ見たことない、見たくもないものが沢山いるんだが。
化粧してるだけで、中身人間なのにスッゲー怖いんだけど」

「何ぶつぶつ呟いてんの?忙しいから速くこっち来て」

「ここから離れられるなら何でもする!」


エマに、引っ張られてエドウィン様も、足早に去って行きましたわ。
エマは何事も見通せる能力が高いので、大きな事を頼んでも隅から隅まで抜かりなく素早く物事を進めて行くから、とてもわたくし助かっていますの。
わたくしも自分のやるべき事を、進めて行きましょうか!と、心の中で意気込んでいますと。

レオナルド様が、ここら辺一帯で準備を進めている皆様に呼びかけておりましたわ。


「みんな!イベントは5日後だから、大変だろうけど頑張って完成させよう!」

「「「「「「はい」」」」」」


順調に進んでいますわね。