「マシェリー我が娘よ!
いつ自分が魔法を扱えるとわかったのだ?
家にある魔法書を君が読み漁っていたのは、知っていたが、私の家系は、今まで残念ながら魔法を扱える者は現れなかった…と、言うことは」


やっとお父様の抱き着きから解放されましたわ。
直後の真剣な表情我が、父ながら切り替えの早い方ですわね。
宰相様ですものね。


「この場で言っても大丈夫ですか?お父様?」

「大丈夫だよ。所長は聞きたそうだしね」

「分かりましたわ。
では…わたくし辺境伯のお婆様に、教えていただきましたの。

お婆様の家系は、女の方だけ時々いらっしゃったらしく、お婆様は力の有る無しが解る様でした。
後は、本を読んだり実験したりしまして、形になっていきましたの。
お婆様は魔法を扱える事は、お父様にも誰にも話してはならないと、おっしゃいましたの。
力は偉大だけれども恐ろしいですわ。
良い事も悪い事も呼びます。
自分から、信じられる騙されても良いと思う方だけに、魔法の事は教えなさいと、教えていただきましたの。

お父様今迄黙っておりまして、申し訳ありません。
先日までは力が上手く扱えなくて、言える様なものでは無かったのですが、最近やっと感覚が掴めたのです」


わたくしは、静かにお父様に対して頭を下げました。
ずーっと黙っていたのですから。
そんなわたくしを、お父様は優しく抱きしめてくれました。
暖かく護られているのを感じましたわ。


「マシェリー色々な事を、良く頑張ったね。
これからもっと嫌な事があるかもしれないが、私は私達家族は君の事を愛しているよ!」

「はい。お父様わたくしも愛しておりますわ」


とても暖かい空気が流れていたのですが…


「家族愛を満喫中の所申し訳ないのですが、此方を見ていただきたいのですがよろしいですかな?」


流石魔法学の所長様、家族愛をスパッと切り離してくださいましたわね。
お父様も離れましたわ。

所長様の持ってきた物は、大きな箱に沢山並べられた、色とりどりの綺麗な小さめのブローチ?
いえいえこれは、校章ですか!?学園の紋章が彫られて有りますから。


「所長様これは、学生服に着ける校章ですか?
学年別に制服と同じ色分けにされていますよね。それにこれは…」

「流石ですね、丁度学園には校章が無かったので、特殊加工で細工した物を用意させていただきました」

「普通は解らないと思いますわ。
多分ですが、わたくしお婆様と同じく何となくですが、解る様ですわ」

「それは良い発見でしたね!」


所長様は優しく微笑んで下さいました。


「では皆様説明させていただきます。
先日陛下からエドウィン殿の持っている指輪、魔法封じ迄はいかないものの、防止の為の物を学園の方達に与えたいとおっしゃられました。
丁度陛下の御命令で、魔法から護る物を探していまして,,サーペンティン,,と出逢いました。

サーペンティンは天然石でして、危険から護る効力を発揮してくれる石です。
色も各種あり加工も柔らかく、かなり安く販売されていますので、校章として加工してみたのですが、実際のところ本当に効力を発揮するのかどうかが心配されていました。
マシェリー嬢見てもらえますか」


えっと~皆様…
イケメンの方々の視線は意識すると、とても恥ずかしいですわね~
少し緊張しますわ。


「そうですね…ハッキリとは解らないので、感じたまま答えさせていただきますわね。
エドウィン様の指輪程では無いものの、悪意のみなら浄化作用が有る様に感じます。
マイナス思考に作用致しますので、良い事なら魔法でも受けれ入れて貰えると思いますが…少し試してみましょうか?」


,,リフレッシュ~~,,