「さぁ冷めないうちに、お嬢様方どーぞ!
この紅茶は、私のお気に入りなんだよ。ラズベリーが入っていて、香りもラズベリーがとても心地よい癒される気分にさせてくれるんだよ」


殿下のおススメの紅茶は、ほんのり甘く、色も少し濃いめでとても風味の良い紅茶でしたわ~

皆様と、ゆったりした居心地の良い時間を過ごしていたのですが、やはり殿下からの追求が来ましたわ。


「マシェリーちゃんに、魔法をできれば一通り見せて欲しいんだけど。
その前に…エマ・ラントル伯爵令嬢。
その目で見るのはやめて欲しいのだが」


言われてみれば。
殿下に会ってから、エマは一言も喋っていないわ。
目?隣に居るエマの目を見てみると、キラキラ輝いていますわね。
何故?殿下を見つめていますわ…いえ、違いますわね。
殿下とイケメンボイス様を、キラキラ瞳で眺めていますわね。


「エマ?どうしたのですか?何故お2人を、そんなにキラキラ輝いた瞳で見つめていますの?」

「えっ!?ごめんなさい!無意識でした。
私ったら、憧れの存在が目の前に居るものだから、ついつい夢心地になっちゃったわ!

私は、フレドリック王太子殿下の、密偵になる事が将来の夢なのです!
表向きは、この国の情報を本にして出版すると言っています。
其方も現実にはしますが、密偵になる事の方が本命です。
まだまだ未熟なので、もっともっと能力を上げて貴方達の仲間に将来なれるように頑張ります!
普通なら逢えない貴方達に逢えて、とても嬉しいです!」

「ふぅーん~私の密偵の事は、一部の人間しか知らない事の筈なのだけどね。
どうやって調べたのかな?」

「それは企業秘密です」

「hahah合格だよ。
情報は命だからね、無闇にひけらかすとろくな事にはならないからね。
私の密偵は、私自らが選別してるのだが、立候補されたのは初めてだよ。
hahah~」

「エドウィン君の友人は、2人共とても興味深いね」


エマの告白にわたくしは多少驚きましたが、何故だかすんなりと受け入れてしまっていますわ!?
エマだからでしょうか?伯爵令嬢が密偵!?かっこいいかも知れませんわね~うふふ


「それではマシェリーちゃんに披露して貰おうかな。
私の密偵も、君の魔法に興味があるみたいだから、一緒に拝見しても良いかな?」

「それは勿論宜しいですわ!それでは始めますわね」


わたくしは先ずは。
掌に水を出しまして、水を変化させ氷でアレクサンダーを、実物大で再現しましたのよ。
可愛いですわ~うふふ。

次は皆様にリフレッシュして、銀の光の粒を浴びてもらいましたの。

最後は氷のアレクサンダーを、冷たいけど抱き抱え、天井近くまでふわふわ浮き上がりましたわ~


「これが、わたくしの魔法ですわ如何でしょうか?」


エマ以外は、何も反応していませんわね。
エマは、キャハキャハ笑いながら、氷のアレクサンダーを撫で叩いていますが、愛情ですか?何でしょう?


「「「「エーーーーーー」」」」


エマ以外の方々が、叫びました!

!!怖!!何?何?皆様の反応の凄さが、怖いですわ!