「ごめんね、せっかく来てくれたのに、ケーキは美味しかったかい?」


お話の終わった、フレドリック殿下に話しかけられました。
殿下はキラキラオーラ満載で、未だ王太子の御身分ですのに、威厳が漂っております。流石王族。


「ご馳走様でした。美味しかったです」

「それは良かったよ。
君は、レオの婚約者だよね。
あー関係性は知ってるから大丈夫だよ。後、君にも迷惑かけている様で申し訳ないね。

君達も知っての通り、レオから洗脳を無くしたいんだけど、なかなか難しいんだよ。
レオも自分でもおかしいのは気づいていて、でも無意識のうちに行動してしまうらしいんだよね。
観察していると他の子達は、自然と洗脳状態になるはずが、レオだけは半分自分の意識が残っているらしいんだよね。
でも自分でもどうする事も出来ないみたいで、私達も色々試してみるのだけどなかなか良い事にはならないんだよね…君達にも説明」

「うーん…………」


寝ていたレオナルド様が起き上がった様ですわ。


「レオ!私だ!わかるかい?フレドリックだよ」

「うーん?お兄様…僕は?何故ここに??」

「レオ頭は痛くないかい?変な声は聞こえないかい?」


フレドリック殿下は、レオナルド様に縋り着く様な体制で、話し掛けておられます。
とても仲の良い兄弟なのだと空気感で伝わって来ます。


「お兄様。なんだか夢を見ていた気分です。
何がなにか?よくわからないですが、今はとても気持ち良い感じで頭もスッキリしています」

「ふーん…さっきの報告であった銀の粉が怪しいなぁ……」


ドキドキです。ばれないと良いのですが…魔法の事をわたくしに初めて説明された時、お婆様がしばらくは内緒でって、言われましたから、お父様にも内緒にしておりますの。

この前お婆様にお手紙での報告で、学園の出来事と、魔法を友人3人に伝えた事をお知らせいたしましたの。
「信用できる友人が、出来て良かったわね」と、返信が来ましたのよ。
そんな事を考えていますと。

殿下が此方をぐりっと振り返りましたの。
びっくっ!!身体が震えましたわ。


「ちょっと聞いて良いかなぁ。
マシェリーちゃん私はほんのすこーしだけだけどね、魔法の気配を感じ取れるんだよね。
でねっ君の気配と、レオの周りに在る気配は同じ様な感じがするんだよね。
違うかな?君の気配には、清々しい気配が漂っているんだよ。
どうだい?私にも教えて欲しいな、君の事…

あっエドウィンは、何も言ってないからね。
これも内緒なんだけど私はね、何となくだけど人の考えている事が解るんだよ。はっきりとでは無いからね、雰囲気だから雰囲気!」


なんでしょうか?この感じ…優しいのに逃がさないぞ的な感じですわね…怖っ!

私も秘密言ったから君もって感じなのでしょうか?う~ん?どういたしましょう。
エマとエドウィン様に目線を流してみると、不憫そうに見られていますね。
よし!


「えーとこの事は、お父様も知らない事です。
出来ましたら、わたくしの口からきちんとお父様には、お伝えしたいと思っておりますので、内緒にしてもらえますか?」

「勿論だよ。宰相殿には内緒だね!
君から言わないと、きっと私に被害が来そうだしね」

???

「それでは、お話ししますから皆様座りませんか?」

「じゃあ。レオも起きた事だし、あちらの部屋に移動しようか?」


奥にある扉を開くと、隣に部屋が現れました。
続き扉でしたのね。
きちんとした、ソファセットがある落ち着いた色合いのお部屋ですわ。

私は魔法の事を一通りお話しさせていただきましたの。
殿下は、ただ静かに聞いてくれていましたわ。
話し終えた後は、少し考えて。


「少し喉が渇いたね!美味しい紅茶を飲もうね」


と、言ったら。
サッとイケメンボイス様が、美味しい紅茶をそれぞれに注いでくれましたの。