あれからわたくしは、軽く食事をいただき、エマとメアリーとで色々と魔法を試してみましたの。

前世を思い出しまして、確か…《俺の武器は、この大気に在る全ての水だ》と、何かのキャラクターが言っていた様な気がしまして、実践してみましたの。

心で…大気に在る水を思い浮かべて、目の前の掌をお椀の様な形にしてみましたら…掌に冷たい水が溜まりました。
自分でやっていて、びっくりですわ!
想像力って凄いですわね。


「凄いじゃん~それって固まらない?」

「えーっと…やってみましょうか?」


固まる…冷す…氷…女王さま。
よし…心で想像して結晶を想像!


「「「え~~~~~~」」」


掌から天井まで、見事な氷の結晶が出来上がりました…
これどうしましょう…別に掌は熱くも冷たくもありませんが、重くはありますわね。
消えろって思ったら消えますかね?
あー消えませんわ~~


「エマ消えません。これどうしましょう?」

「お嬢様掌は大丈夫ですか?」

「全然平気です。少し重いかな」

「シャワー室に置いておくのは?」

「エマ流石ですわ、そうします。
溶けたら部屋がベッチャベッチャになりますものね」


わたくしは、シャワー室に結晶を立てておきましたわ。
綺麗ですわね~オブジェですわぁ~


「マシェリーは、浮く事と、水と氷と銀の光の粒が、今の所の魔法でしょ。
まぁこれだけでも凄すぎるんだけどね。後は何試したの」

「今までは、心で願ってもなかなか良く分からなくて…浮くのもほんの少しだけでしたので、10センチぐらいしか浮かなかったのです。
ですから満足に試す事が出来ませんでした…」

「良いの良いの。これから色々試していけば良い事じゃないの、後は火とかはどうかなぁ?水の次は火だよね」


火、火?あれ?炎は攻撃しか思い出せない!流石に部屋で攻撃は駄目でしょう。火、火、火!

あーあれが良いかなあ?掌でふよふよ浮いてる喋る火。
わたくしウキウキしながら掌を目の前で、上に向けて心で想像~あれ?湧き上がるものが無い。
残念ですわね…とても残念。


「エマ、火は無理そうですわね」

「言われたもの全てできたら怖いよね。今日の実験は終了して、エドウィンが帰ってきて、又皆んなで話そうよ。
それまで私も何かしら、掴めるようにしておくからね。
今日はマシェリーもゆっくりしてなよね」

「そうですわね。お婆様にお手紙書いたら直ぐに、休むことにいたしますわ」

「じゃあ!マシェリー良い夢を!
おやすみ」


エマが帰って、メアリーが用事をしに隣の部屋に行き、一人になるとわたくしぐわっと喜びが溢れてきました。

3人共特別視することなく、 普段通りに接してくれるのがとても嬉しかったのです。本には騙されたり裏切られたりした魔法使いの事が、数多く書かれていた物もあり。
不安が無かった訳ではないので、なんだか安心しましたわ。

今日は久しぶりに気持ちよく眠れそうですわ。




「おやすみなさい」