いよいよイベント当日ですわ。


朝食は、メアリーと軽く部屋で頂いた後。
わたくしはサーモンピンクのブラウスと、ピンクのサロペットワンピースの組み合わせを、エマとお揃いに致しましたの。
後は、出掛けるだけなのですが、その前にメアリーに一言言わないといけない事がありますのよ。


「今日はメアリーは、自由行動だからね。
わたくしはエマと居るから安心して楽しんできて」


笑顔で安心できる様に言ったのですが、ダメでしたわ。


「そんなわけには行きません!今日は、授業ではないのですから、私がマシェリー様のお供をします」

「学園内ですし、友人達も居ますから大丈夫だから心配しないで。
メアリーにはこれからもお世話になるのだから、今日は料理長もお休みの筈だから楽しんできて」


わたくしの必死のお願いに、メアリーはフゥーと仕方なさそうに息を吐き出しながら。


「解りましたが、今日は色々な方が出入りされますから、気を付けて下さいね。
絶対エマ様と離れてはいけませんよ」

「わかったわメアリー。
気を付けて行動しますわね。
エマと玄関先で待ち合わせしてるので、行ってきますわ」

「絶対に、気を付けてくださいね」


と、メアリーに言われましたのにさっきまで一緒にいた筈のエマが、急に居なくなってしまいましたわ。
エマって、気になったことがあると、脇目も振らず走り出していってしまうことが、良くあるのです。


「おい、なにしてんだよ。
お前が1人は危ないだろう。
色々な方面から、狙われてもおかしくない立場だろ」


後ろから、エドウィン様が話しかけてきましたわ。
この方何時もいきなりブスッとした顔で、話しかけてくるのです。
少しびっくりいたしますわ。


「おいなにボーっとしてんだよ。
いつも一緒の奴はどうした?」

「エマですか?エマは何処かに行ってしましました」

「何処かにって、まぁいいで…」


,,生徒会からのお知らせです。今回のイベントは、各場所で色々な種類のイベントを開催します。
小ホールでは、今王都で有名な歌劇団が上演します。
演舞場では、隣国からの招待で演舞が披露されます。
各クラスでは、ホーンテッドハウスが修道院.廃墟など、数箇所で
趣向を凝らし開催されます。
大ホールでは、飲食できるようにしておりますので、自由にお召し上がりください。
何処に何があるのかは、案内用紙がおいてありますので、お好きな場所にお進み下さい。
以上、生徒会からでした。,,


「おっこんな所に案内用紙があるぞっ
俺も1人だしお前は1人だと心配だから、お前の友達が見つかるまで居てやるよ」

「1人も寂しい気もするので、よろしくお願いしますわ」

「よし!じゃあ、何処か行きたい所あるか?お前に選ばせてやるよ」


エドウィン様は、ツンデレなのかしら?
ツンツンしてたり、デレたりと観察したら楽しそうですわね。

あっエドウィン様の目が不審そうになりましたわ。
早く返事返さないとダメみたいですわね。えっと……ホーンテッドハウスって確かお化け屋敷でしょ。
行きたいわ!わたくしうろ覚えですが、ゾンOやキOンシーが出て驚かすホーンテッドハウスに、入った事がある様に思いますわ。よし!


「ここから一番近い、ホーンテッドハウスに行きたいです」

「まじかよ。
本気で入んのか?聞いた話によると、かなりヤバいらしいぞっお前大丈夫かよ?」

「大丈夫ですわ。
是非ともいきましょう。絶対迷惑はかけませんわよ」

「そこまで言うならいくけど。
近場だと…廃墟だな…じゃあいくぞ」








「おい…あれなんだったんだよ。
血だらけは良いが、出方がダメだ。
鏡だった場所が消えていきなり現れたぞ。それに下から足掴まれたし、変なもの降ってきたぞ…それに………嫌、もう何も言わない」


出た後、下を向いてエドウィン様は小声でブツブツ何か呟いていましたわ?
呪文ですか?まぁ気に致しませんが。


「そうですわね。楽しかったですわ。
でも、わたくしが企画したなら、もっともっと10倍は怖く、リアルに再現してみせれる自信がありますわ。

わたくし生徒会にはいりまして、皆様に喜んでいただける、ホーンテッドハウスを作りたいです。
いや、王都に創ってもよろしいのではなくて。
きっと元はとれますわね、お父様に提案してみますわ。
それでは次のホーンテッドハウスに行きましょう!」

「まてまてまて、ちょっとまて!
一旦お腹すいたから、ここからならホールが一番近いから、飯食いに行こう!さぁ行こう」


どうしたのかしら?
エドウィン様、急にお腹が空いたのかしら?そんなに叫ばなくてもいいのに?さっきのホーンテッドハウスでは、反対に何一つ言葉を言わなかったですわよね?可笑しな方ですわエドウィン様は。


「そう言われてみれば…わたくし、いっぱい叫んだので喉が乾きましたわね。
大ホールにお食事にまいりましょうか、今日はとても楽しいですわね」

「喜んでいただけてるなら、よかったよ」

「俺はもう、ホーンテッドハウス入んねーよ!」

「何か?おっしゃいましたか?」

「いや何も言ってない、ホールに行くぞ」


わたくし達は、食事をいただきに大ホールまで来ました。

大ホールは、人がとても多くてわたくしとエドウィン様は、お互いに接点が無く話した事もあまりなかったので、二人でいると珍しいのかわたくし達が入ったら、皆様の注目を浴びてしまいましたわ。

少しびっくりいたしました。


「あらあらあらあら。
マシェリー様エドウィン様とご一緒なんて、珍しいのではなくて?
わたくしびっくりいたしましたわ。
ねぇあなた達もそう思うでしょう~」


アメリア様とその取り巻き様達でしたわ。


「えーなんだかマシェリー様と、エドウィン様お似合いねぇ~
お歳も同じですし。
レオ様と破棄されてエドウィン様とお付き合いされたらいかがですかぁ~」

「何事だ?注目されているぞ、マシェリーとエドウィンか。
エドウィンマシェリーの事、私の代わりに頼んで悪かったね。
私はもう少しかかりそうなので、引き続き宜しく頼むよ。では、又後で」


レオナルド様は、Winkをしながら爽やかに去っていかれましたわ。


「レオ様~待ってくださいませ~わたくしもお手伝いいたしますわぁ~」


エドウィン様と2人顔を見合わせて???でしたわ?


「なんだあれ?まぁいい早く食べよう」

「そうですわね。
食べ物を前にすると急に、お腹がすきましたわね」

「あちらの席が空いておりますわよ座りましょう」

「座っててくれ。食べ物を見繕って持っていくから、飲み物だけ頼むアイスティーがいい」


エドウィン様は、サッと行ってしまいましたわね。
では、わたくしは飲み物を用意致しましょう。
アイスティーとわたくしは果汁ジュースにいたしましようか、少し待っていると。

品良く沢山色々な種類を、盛った大皿を持って、エドウィン様が参りました。
凄いですね。量が多いです!


「さぁ食べよう!食べないのか?」

「いえ、いただきますわ………」


わたくしは、小皿に少しづつ取っていただきましたが、エドウィン様は…

流石は王弟殿下のご子息様だけあって、ばくばく食べているのに品が良く食べ方がとても綺麗ですわ。
態度や言葉使いが貴族らしくなくてもやはり、上流階級の方なのですわね。
王族は凄いです 。食べ尽くし、デザートをいただいていると。


「ごめんね~確認のため色々動いてたの。
もう終わったからマシェリー一緒に回ろ」

「じゃあ、俺はもういいだろ。じゃあな」


お礼を言う隙もなく、人混みに消えていきました。
今度何か御礼をしないと行けないですわね。
エドウィン様のおかげで何事も無く、楽しかったのですから。


「エドウィン様と居るなんて、珍しいわね。でも、まぁ信頼のおける方ではあるから安心していられたでしょう。
私もさっきご飯食べたから何か見に行かない?」


わたくしは笑顔で!


「ホーンテッドハウスを全部行きたいですわ!!!!!」