入学してから半年が経ちました。


わたくしは今、自分の教室の前の廊下にいますのよ。
小窓からこっそり中を覗いていますの、監視ですわね。

わたくしのクラスは、1年A組です。A.B.C.D迄ありまして、成績順なのです。
エマと同じクラスなのですが、今は教室には入れませんの。
中には第二王子のレオナルド様が、取り巻きの女の子多数と、補佐と言う名の腰巾着の騎士団長の弟グレッグ様と、学園長の息子ルイス様と高官の息子ヘンリー様とマック様の、団体様で待ち構えておりますわ。
何故でしょう?このメンバーが居るのに、入りたくありませんわね。

この半年。付かず離れずの関係を上手い事お互いにやってきたはずでしたのに、このメンバーは本当に嫌な感じがいたしますわ!


「何やってんだ?早く入れよ」


後ろから、王弟で大公爵の息子エドウィン様が、ドアに張り付いていたわたくしを、押し退けドアを開けてしまいました。
教室の後方真ん中に、固まって居ました皆様の視線が、こちらに向きわたくしと皆様の目がバッチリ合ってしまいましたの。
もう観念いたしますわ!
わたくしの机に座ってます、レオナルド様に近寄ると。


「マシェリー待ってたんだよ。
遅かったね、もう授業始まってしまうね、要件だけ言うよ。

来週、生徒会主催のイベントがあるんだけどね。
僕も生徒会の一員だから、忙しくて途中一緒にいれないんだけど。
最後のダンスのエスコートは、僕に任せてくれないかな?」


キラキラ笑顔でなんですの?あざといですわ。
首傾げて不安そうに聞いてきてますわね。
こんな皆の前で断ったりしたら、わたくしどうなるのかしら?
アメリア様の目が怖いです。わたくし殺されそうです。

心を決めニッコリ笑って。


「レオナルド様、ありがとうございます、とても嬉しいですわ。
是非エスコートよろしくお願いしますわ」

「良かった。
僕も嬉しいよ、君が楽しんでくれるイベントになる様に。
僕は残りの準備を頑張るよ。君のために」


なんですの。
歯がうきますわ、これはチャラ男と言う奴ですわよね。
本当に、この第二王子わたくし、好みではありません。
わたくし寡黙で、頼りがいのある信頼のおける方が、良いのです。


「頑張ってくださいませ。
レオナルド様の事を、何も手助け出来ませんが、わたくし心から応援しておりますわ」


「ありがとうマシェリー。
それでは授業が始まるから、失礼するよ。
皆も大事な休憩時間を邪魔して、すまなかった」


レオナルド様は、わたくしの机から立ち上がり、颯爽と去っていかれましたわ。
取り巻きは睨みながら去って行き、腰巾着は軽く会釈して去って行きました。ドアが閉まった途端に。


「「「「きゃ~~~~~~~~!かっこいい!レオ様!さいこ~~~~~」」」」


クラス中の女生徒が、叫んでいますわね。
まぁかっこいいとは思いますが、好みではありませんわ。


「マシェリー様、レオナルド様が婚約者なんて羨ましいですわ。
皆様も、そう思っておりますのよ」

「ありがとうございます。
わたくしレオナルド様に、似合う様に頑張らないといけませんわね」


クラスメイトの女子生徒に囲まれて、しまいました。


「皆さんそろそろ時間です。
席に着いて準備をしないと先生が、来てしまいますよ」


先程教室に帰って来たエマが、助けてくれました。流石はお友達ですわ。




さぁ授業が始まります。お勉強いたしましょう!