あの虹が見えた時、私はあなたに恋をする

「じゃあ、行ってくる」

「私も行ってきまーす!」


朝食を食べ終わるとお父さんと咲が仲良くふたりで家を出て行った。


「穂希も早くしないと遅刻するわよ」


私に一切目を合わせず、お母さんは言った。私はお父さんが読んでいた新聞を持って自分の部屋へと向かった。


「やっぱり、この新聞も6月11日だ」


お父さんや咲の話からしても本当に今日は6月11日なんだ。でもどうして?

私には高校2年生の3月20日までの記憶がはっきりと残っている。これが漫画とかにある過去にタイムスリップしたってこと?


「……考えても仕方ない。学校を休む訳にはいかないし」


私は壁に掛けられた夏の制服を見て覚悟を決めた。



「いってきます」


私は学校へ行く準備を済ませて家を出た。外へ出ると、少し涼しい風が軽く吹いていた。


気持ちいい朝……。


そんなことを思いながら、夏服で歩いていく人に紛れて私も歩き出した。





「あの、山城高校の生徒ですよね?」


いつもの通学路を歩き、交差点の赤信号が青になるのを待っていると、後ろから声をかけられた。後ろを振り向くと、同じ制服を着た男子生徒がそこに立っていた。

その男子生徒はまるで芸能人のような綺麗な顔立ちをしていて、思わずじっと見つめてしまった。


「そう、ですけど」


私は我に返ってすぐに返事をした。すると、男子生徒はにっこりとした笑顔を見せた。