あれから日が経ち、1学期期末試験の最終日になっていた。



「あー、もう無理。帰りたい」


と、教科書を見ながらしんどそうな顔をする中里くん。



「あー、ほんっと無理。何言ってるかさーっぱりだ」


と、私の前の席を借りて座り、中里くんと同じような顔をする野田くん。



「あと2科目なんだし、頑張ろうよ」


「あのなぁ、その2科目がダメなんだって。数学と英語だろ?死ぬわ〜」



まあ、この時期の数学と英語ってまあまあ範囲広いんだよね。私も苦労したなぁ。

……とはいえ、私にとっては1度やった事あるテストだったから、そこまで苦じゃなかったけど。


「無理無理無理〜ギブ!」

「はい、終わったー終わり〜赤点〜」


頑張れ、2人とも。


私は心の中で2人にエールを送りながら、最後の確認をした。



「てかさ〜今日デート行ってくらぁ」


「ま?惚気後で聞かせてみ」


「いいよ〜」


勉強に集中していると教室内に騒がしい声が響いた。磯貝さん達だった。

彼女達は一切教科書を開かず、机の上に座って世間話をしていた。


「あ、ねぇ、千聖!帰りにクレープ屋寄ってかない??」


すると、1人だけ真面目に勉強していた本庄さんに磯貝さんが話しかけた。