「我慢してたらいつか……」


彼の眼差しは私のことを本当に心配しているようだった。そんな彼を見た私は首を横に振って笑みを浮かべた。



「中里くんと野田くんがいる限り、私は死んだりしないよ」


私には味方がいる。
それだけで生きる活力になる。

今はもう死にたいなんて思わない。


でも時々思う。


私と一緒にいるせいで中里くんも野田くんにも被害が及ぶんじゃないかって。


私のせいで作れるはずだった友達や彼女を失ってしまったんじゃないかって。

そう思うと、胸が苦しくてたまらない。



「神崎、帰ろーぜ」


放課後になると、いつも通りに2人が私を誘ってくれた。


「私、学習室に寄ってから帰るから」


「待ってようか?」


「ううん。今日は1人で勉強したいの」


それにたまには男の子同士、2人で楽しく帰って欲しいな。


「そっか、じゃあな」

「また明日、神崎さん」


私は2人を見送った後、磯貝達に目をつけられないように急いで学習室に向かった。


嘘、なんでこんな所に……。


学習室に入ると本庄さんが端の方で教材を開いて勉強をしていた。彼女は私に気がつくと表情を変えてじっと見つめてきた。