「それ、近藤に話したのか？」


私は小さく頷いて話を続けた。


「何度も説明したけど、わかって貰えなかった。それどころか、私の変な噂はどんどん膨らんで……私が二股をかけたって言われるようになったの」


「それで神崎はいじめの対象に？」


「私も途中で抵抗するのに疲れちゃって。それを気に色んな人が手のひらを返して私をいじめるようになったの」


私が一通り話終えると野田くんは唇をかみ締めてとても悲しそうな表情を見せた。


「ごめん。今まで酷いことして」


野田くんはそう言って私に頭を下げてきた。


「ど、どうして謝るの？」


「自業自得だからって真実を何も確認しないで神崎さんのいじめを見て見ぬふりをした。謝って済むことじゃないことぐらいはわかってる。でも本当にごめん」


「私の話を信じてくれるの？」


「前から薄々気づいてたんだ。近藤は自分の都合のいいように物事を進めるところがあるから、噂も嘘なんじゃないかって。でも友達を疑いたくなくて、自分に嘘をついたんだ」