あの虹が見えた時、私はあなたに恋をする

中里くんがそう言うとクラスメイト達は全員気まずそうに下を向いた。


「神崎はしてないんだろ?」


「う、ん」


「ならいいじゃん。連絡先交換しよ」


私は言われるがまま、鞄からスマホを取り出して彼と連絡先を交換した。すると、彼からいきなりメッセージが届いた。


『教室じゃ言えねぇからここで言うわ』


私は首を傾げてじっと画面を見ているももう一通メッセージが届いた。


『俺は神崎を助けるために来たんだから、どんな事があっても簡単に手放さねぇよ。覚悟しろって言ったろ?』


その言葉を見ただけで涙が出そうになった。


「あり、がとう……」


「おう」


彼は少しだけ頬を赤らめてにっこりと笑った。いつもなら朝から絡んでくるクラスメイト達も中里くんのお陰で絡んでこなかった。


「俺、飲み物買ってくるから」


4時間目が終わると、彼はそう言って席を立った。もちろん、私を助けてくれるヒーローが居なくなったのだから悪役はそこを狙ってくるに決まっていた。


「神崎さんさぁ、また色目使って男を誘惑してんの??」


磯貝さんの友人である葉山 凛子(ハヤマ リンコ)さんが私に絡んできた。