あの虹が見えた時、私はあなたに恋をする

「覚悟してって言われても……」


「ってことで友達から始めよ」



中里くんはそう言って私に手を伸ばしてきた。


「友達の証の握手、な?」


「はあ」


今どきこんなことする人、いるんだなぁと思いながら恐る恐る手を握った。


未だに信じ難いけれど、彼を見ていると少しだけ心が楽になる。誰かにこんなに好意を持って接してもらえるのは本当に久しぶりだから……。



「あの、中里くんは授業に出なくていい、わけ?」


「あ、神崎のこと必死に追いかけてたから授業のこと忘れてた!ってそれは神崎だろ?」


それはそうなんだけど。


「私は、いいの。怒られ慣れてるし、あの教室にいるよりは……」


私がそう言うと中里くんは少しだけ悲しそうな表情を見せた。


「いじめ、られてるのか」


「さっきも見たでしょ。私、あのクラスに必要ないって思われてるから」


「そんなことねーよ」


「え?」


「必要のない人間なんていない。少なくとも俺にとって神崎は必要だよ」


今まで会ってきた人の誰よりも真剣な眼差しで彼は言った。

その言葉は私が今まで欲しいと思っていた優しくて暖かい言葉。


「え、ちょ、どうした?」