あの虹が見えた時、私はあなたに恋をする

「なんで死のうとしたんだ!」


神崎くんは真剣な表情で私に向かってそう言った。


「私、死のうとなんてしてないけど……」


飛び降りたら、って考えたはいたけど全然そんなつもり無かった。


「え?」


「全然そんなつもりなくて……勘違いさせてごめんね」


私がそう言うと彼はぽかんとした表情を見せて大きく笑いだした。


「なんだ、俺の早とちりか。ごめんな、いきなり。“また”死なせちゃうって思ったらいてもたってもいられなくて」


「“また”ってなに?」


私がそう尋ねると彼はやらかしたというかのような顔を見せた。


「あ、聞いちゃった?」


「うん」


「無かったことには……」


「無理かな……」


神崎くんは大きくため息をつくと私の目をしっかりと見つめてきた。


「俺、未来から来たんだよね」


……は?

彼の口から飛び出した言葉がさらに私の頭を混乱させた。


いやいや、何言ってるの?
未来から来た??

冗談でしょ?


「3月20日、神崎 穂希は学校の屋上から飛び降りた」


「なんでそれを……」


「もちろん、未来から来たからね」


彼の目はとても嘘を言っているようには見えなかった。