「あっ!!!」
何かを確かめるように静香は大きく開けた目をよく凝らして見て翔真を指差した。
「あれやあれや未茉!!!」
「何がや」とつられてめんどくさそうに静香の指差してる方を見る。
「あの女や!!!さっき話した桜蘭学園のエース!!超絶美人のっ!!!」
「えっ!!!?」
振り返ってよく見るとその美人は翔真の腕の裾を可愛らしく掴んで微笑んでる。
「静香ちゃんの声、大きい。」
ぷっと笑いながら翔真は彼女を連れてこっちへやってきた。
「こんにちは」
早乙女は手を繋いだまま、真っ直ぐと翔真を見つめたまま挨拶すると、
「やっぱり!!コイツやっ!!総体の時の相手!!間違いない!!」
「ふーん。」
「ふーんって未茉っ!なんやその気の抜けた返事はっ!!あ、せやな。分かった、決勝まで勝ち上がれるか心配しとんのやな!?」
「ちげぇーよ。あたしの敵は大成だぜ。桜蘭じゃない。」
「へー。言ってくれるー。ね。翔真?」
ぷくっとしたセクシーな唇から甘えるような声を出して翔真の顔を覗き込んだ。
ハーフのような端正なしっかりとした顔立ちにセミロングヘアでカッコよく髪をかきあげる姿はまるでモデルそのもので絵になる。
176センチの長身で小顔の桜蘭のエースの彼女は本当に静香が騒ぐ程の美人だと納得した。
「‘翔真’って……呼び捨てやないか。ほなあんたら付き合ってんのかっ!?」
「えっ、そうなの?!!」
本日隠れカップル二組目にさすがの未茉は驚くも、
「あれ、前に彼女いないって言わなかったっか?」
「今は付き合ってないわよ。」
長い睫毛を閉じてニコッと彼女は微笑んだ。
「ほな昔の女やっ!!?」
「静香、もう行こうよ僕たちも。」
あまりいい空気じゃないような気がして早乙女は未茉と静香を連れ出そうとすると、
「白石!行くわよ!練習間に合わないよ!!」
遠くから鈴木キャプテンが未茉を呼ぶ声が聞こえて返事をした。
「じゃーな静香、早乙女、またね!お互い頑張ろーね!」
「あ……うん。」
手を離されて早乙女は名残惜しくも見送った。



