「コンビニってカラーボールが置いてあるだろ?」


「あるけど、それがどうかしたの?」


真弥はますます眉間にシワを寄せている。


突然カラーボールに話なんかされたら、そりゃ不審に思うだろう。


だけど、そこは俺と真弥の関係があった。


「カラーボールが必要な人がいて、譲ってあげたいんだけど」


「え? それなら、通販でも買えると思うよ?」


「それはわかってるんだけど、配達までに時間がかかるだろ? なんか、急きょ必要になったんだってさ」


俺の説明に、真弥はまだ怪訝な顔を浮かべている。


でも、どうにかして説得する必要があった。


カラーボールを1個持ってくるだけで、その人は俺に1万円をくれると言っているのだから。