でも、世の中には人の生死よりも自分の好奇心を優先し、感情を制御できない人も数多く存在している。


「そうだね。そういう線もあるよね」


貴央の言葉に真弥が何度も頷いた。


しかし、その考えは間違えていると否が応でも理解してしまった。


貴央たちが愉快犯の話を始める直前に、カチッ!と音がしていたのだ。


そう、ちょうど恵一が『子供のイタズラじゃないとしたら、やっぱり俺は狙われたことになる』と、発言した直後のことだった。


あたしはゆっくりと時計に視線を向ける


長針は動き、20分の所で停止している。


「あの事故は故意に起こされた。俺を狙って……」


恵一が囁くような声で言ったのだった。