――ところが。
「アンジェリ―ナ様!」
翌日、地下室にてもやしを収穫していたアンジェリ―ナの背後から、聞き覚えのある男の声がする。振り返れば、赤子ほどの大きさの瓶を抱えたビクターが立っていた。
「ビ、ビクター様?」
驚きのあまり、アンジェリ―ナは後ずさった。彼はもう戻らないとばかり思い込んでいたので、まるで幽霊に出くわしたかのような衝撃だ。
「なぜ、ここにいらっしゃるの?」
「なぜって、ヤドカリを見つけてきたからに決まっているではありませんか」
大きな瓶を手渡され、中を覗き込めば、なるほどたしかに中にはヤドカリがうじゃうじゃ入っている。
「本当にヤドカリだわ……! しかもこんなにたくさん!」
「ハイランド王国との辺境にほど近い海岸にうじゃうじゃいましたよ」
心なしか、ビクターは以前よりも日に焼けた気がする。ヤドカリを求めて、随分浜辺を散策したのだろう。
(まさか、この世界にもヤドカリが存在していただなんて。それもわりと近くに)
完全なるアンジェリ―ナの勉強不足である。
しかも、侵略国であるハイランド王国は、この頃怪しい動きをしているとトーマスが言っていた。それなのに、ビクターはそんな危険地域にまで足を踏み入れたのだ。結果として、ビクターのアンジェリ―ナへの執着をより思い知ることとなってしまった。
一方のビクターは、ヤドカリを見つめるアンジェリ―ナに期待の眼差しを向けている。
「アンジェリ―ナ様!」
翌日、地下室にてもやしを収穫していたアンジェリ―ナの背後から、聞き覚えのある男の声がする。振り返れば、赤子ほどの大きさの瓶を抱えたビクターが立っていた。
「ビ、ビクター様?」
驚きのあまり、アンジェリ―ナは後ずさった。彼はもう戻らないとばかり思い込んでいたので、まるで幽霊に出くわしたかのような衝撃だ。
「なぜ、ここにいらっしゃるの?」
「なぜって、ヤドカリを見つけてきたからに決まっているではありませんか」
大きな瓶を手渡され、中を覗き込めば、なるほどたしかに中にはヤドカリがうじゃうじゃ入っている。
「本当にヤドカリだわ……! しかもこんなにたくさん!」
「ハイランド王国との辺境にほど近い海岸にうじゃうじゃいましたよ」
心なしか、ビクターは以前よりも日に焼けた気がする。ヤドカリを求めて、随分浜辺を散策したのだろう。
(まさか、この世界にもヤドカリが存在していただなんて。それもわりと近くに)
完全なるアンジェリ―ナの勉強不足である。
しかも、侵略国であるハイランド王国は、この頃怪しい動きをしているとトーマスが言っていた。それなのに、ビクターはそんな危険地域にまで足を踏み入れたのだ。結果として、ビクターのアンジェリ―ナへの執着をより思い知ることとなってしまった。
一方のビクターは、ヤドカリを見つめるアンジェリ―ナに期待の眼差しを向けている。



