それなのに今、自分はどうしてこんなところにいるのだろうと、エリーゼは混乱する。
死霊の住処のごときこの塔は、エリーゼの生まれ育った環境よりも劣悪だ。
(それもこれも、あの女のせいだわ)
アンジェリ―ナに対する怒りが、胸の奥底からふつふつと湧いてきた。
姿を見せずして、ラスカル大臣の心を動かしたあの女が許せない。
こんな劣悪な環境なのに、むしろ以前より楽しそうなあの女に腹が立つ。
気づけばアンジェリ―ナはベッドの上に身を起こし、ランプに火を点けていた。
「弱みを握って、必ずぎゃふんと言わせてやるんだから!」
アンジェリ―ナの弱み――エリーゼには、思い当たるふしがひとつだけあった。
塔を案内された際、アンジェリ―ナに神妙な面持ちで『ここには、絶対に入ってはなりません』と言い渡された部屋があったのだ。あの部屋に、アンジェリ―ナに付け入る隙が隠されているに違いない。
エリーゼは足音を立てないように部屋を出ると、階段を下る。エリーゼに与えられた部屋は最上階(あろうことかネズミ部屋の向かい)なので、五階にある禁忌の間まではすぐだ。
死霊の住処のごときこの塔は、エリーゼの生まれ育った環境よりも劣悪だ。
(それもこれも、あの女のせいだわ)
アンジェリ―ナに対する怒りが、胸の奥底からふつふつと湧いてきた。
姿を見せずして、ラスカル大臣の心を動かしたあの女が許せない。
こんな劣悪な環境なのに、むしろ以前より楽しそうなあの女に腹が立つ。
気づけばアンジェリ―ナはベッドの上に身を起こし、ランプに火を点けていた。
「弱みを握って、必ずぎゃふんと言わせてやるんだから!」
アンジェリ―ナの弱み――エリーゼには、思い当たるふしがひとつだけあった。
塔を案内された際、アンジェリ―ナに神妙な面持ちで『ここには、絶対に入ってはなりません』と言い渡された部屋があったのだ。あの部屋に、アンジェリ―ナに付け入る隙が隠されているに違いない。
エリーゼは足音を立てないように部屋を出ると、階段を下る。エリーゼに与えられた部屋は最上階(あろうことかネズミ部屋の向かい)なので、五階にある禁忌の間まではすぐだ。



