「トーマス!」
アンジェリ―ナが叫べば、「は、はい」とトーマスが肩を揺らした。
エリーゼが、ごくりと唾を飲む気配をする。
「大事なお客様なのに、なぜおもてなししないの? 早く中にお通しして」
「は、はい。……って、ええ!? 誰も通すなと、アンジェリ―ナ様がおっしゃられたのではないですか?」
「おだまり!」
「わ、わけわかんねえ。まあいいや、どうぞお入りくださいだ」
トーマスが渋々門扉を開けば、馬車が動き出す。窓越しに、腑に落ちない顔を浮かべているエリーゼと目が合い、アンジェリ―ナはにこっと微笑みかけた。
「さあ、エリーゼ様。お世辞抜きに汚くて薄暗いところですが、どうぞごゆるりとお過ごしくださいませ」
罪人の幽閉場所である“悪魔の塔”に応接室などないので、エリーゼは必然的に食堂に通された。彼女が引き連れていた従者たちは、玄関先で待ってもらうことにする。
エリーゼを食堂に案内してからのアンジェリ―ナは、ララの制止を振り切って、実にてきぱきと動いた。憧れの推しが目の前にいるのに、じっとしていることなど彼女には到底無理なのだ。
アンジェリ―ナが叫べば、「は、はい」とトーマスが肩を揺らした。
エリーゼが、ごくりと唾を飲む気配をする。
「大事なお客様なのに、なぜおもてなししないの? 早く中にお通しして」
「は、はい。……って、ええ!? 誰も通すなと、アンジェリ―ナ様がおっしゃられたのではないですか?」
「おだまり!」
「わ、わけわかんねえ。まあいいや、どうぞお入りくださいだ」
トーマスが渋々門扉を開けば、馬車が動き出す。窓越しに、腑に落ちない顔を浮かべているエリーゼと目が合い、アンジェリ―ナはにこっと微笑みかけた。
「さあ、エリーゼ様。お世辞抜きに汚くて薄暗いところですが、どうぞごゆるりとお過ごしくださいませ」
罪人の幽閉場所である“悪魔の塔”に応接室などないので、エリーゼは必然的に食堂に通された。彼女が引き連れていた従者たちは、玄関先で待ってもらうことにする。
エリーゼを食堂に案内してからのアンジェリ―ナは、ララの制止を振り切って、実にてきぱきと動いた。憧れの推しが目の前にいるのに、じっとしていることなど彼女には到底無理なのだ。



