指の横を、ブローチみたいなメタリックの昆虫がのそのそと通り過ぎた。 見上げれば、空に向かって高くそびえる樹々。 鬱蒼と葉が茂って、あちこちにツタが絡んだ深い森。 遠くで、フルートみたいに透き通った涼しげな鳥の声がする。 南の島ならどこも同じかもしれないけど、きっと。 信じよう。 自分を。 信じるしかない。 奇跡を。 立ち上がり、軍服の脚についた泥を払って、あたしは3度目の大地を踏みしめた。