手元にはもうなにも残ってないから、時々、あれはやっぱり夢だったのかな、なんて思いそうになることもある。 でも、そんな時は髪を触る。 昇さんの刀で歪に剃られた髪。 とりあえず揃えよう、と言われたのを敢えてそのままにしてある。 これが、今のあたしが持ってるたったひとつの繋がりだから。