昇さんがまた河に飛び込んで、阿久津さんの元へと向かった。 だけど阿久津さんの顔を見た途端、引き返してきた。 その様子を、あたしは他人事みたいに眺めていた気がする。 「行こう。風邪をひくぞ」 昇さんが、そんなようなことを言って、あたしの肩を重く叩いた。 その後、あたしたちは何事もなかったみたいに歩いた。 というか、何も考えたくなくて歩いた、が正しいかもしれない。 何も言わない昇さんのあとをただ黙々とついて行った。