暗いから迷っちゃった? それともぬかるみにはまって動けなくなった? あたしはいてもたってもいられなくなって、昇さんに声を掛けた。 「昇さん、昇さん!起きて。阿久津さんが戻ってこない」 「ん…、ああ?阿久津が?」 「うん、だいぶ前に出ていって、そろそろ明るくなってきたのにまだ戻らないの」 「ほんとか!?」 「俺が、どうしだって?」 「阿久津さん!」 あたしが慌てているところに、夢のような甘い香りと共に阿久津さんが戻ってきた。