「弥生!」 「昇さん、山根さんは?みんなは?」 「皆無事だよ」 「よかった!」 山根さんは、あたしが思っていたよりもずっと先まで流されていた。 向井さんを背負った阿久津さんのスピードでは追いつけなくて、川岸を走っていった昇さんが救助したようだった。 怖かったけど、不安だったけど、みんな無事で本当に良かった。 だけど、この流れの中を追いかけたことで、特に向井さんが水を大量に飲んでしまったみたいで。 みんなのところに着いたら、山根さんだけじゃなく向井さんまでもが横に寝かされていた。