昇さんの後ろに戻り、隠れるようにゆっくりとついてゆく。 だけど。 その人に近づくにつれて、異様な臭いがするのに気がづいた。 甘い、独特な臭い。 その臭いで、薄々気付きかけたけど、その時のあたしはまだそれを認めたくなかった。 だから、そのまま足を止めずに近づいた。 「ひ…っ!」