昇さんがあたしをからかいながら、集めた枯れ枝の上に飯盒を掛けた。 手際よく火をおこすとあっという間に火が大きくなる。 炎に照らされた昇さんの顔が、柔らかく微笑んでいた。 「じきに食えるからな」 「うん」 虫たちの声と、炎がパチパチと枝を焼く音が耳に心地いい。 昇さんと一緒なら、こんな野宿だって、なんだかワクワクするよ。