「なんだ。褒めてもなんも出ないぞ? 羽咲なら作った菓子を山ほどやるだろうけど」

「うーのお菓子は大好きですけど……俺、晃さんに憧れてもいいですか?」

真正面から問いかけると、晃さんは大きく瞬きをした。

「……なんか、思うところあったか?」

「はい。とりあえず今は、大好きなみんなと一緒にいる時間を大事にしようと思います。滅茶苦茶楽しもうと思います」

きっと、大事な友達と時間を気にせずいられるのは、今だけだろうから。

「そうか。なにかわかったなら、よかった。もう寝るか。明日――もう今日か。家帰ってから学校だろ? 朝は送っていくから」

「そんなっ。ただでさえご迷惑かけているのに、そこまでは……」

「ん? 迷惑なんてかけられてないぞ?」

「俺が来てから由羽とうーに色々心配かけちゃってますよ。晃さんと咲雪さんも巻き込んで……」

晃さんは少し首を傾げたあと、何かに気づいたように口を開いた。