「ただいまー」 ターゲットが帰って来た。シメてやる。 「おかえりなさい。おにい――総真くん⁉」 「あ、うー。ただいま?」 脱兎。 「ん? 羽咲、どうしたの?」 リビングに駆け込んで、ダイニングテーブルでお仕事をしていたお母さんの後ろに隠れると、お母さんが困った声を出した。 だ、だってお兄ちゃんだけじゃなくて総真くんがいたよ⁉ 幻覚⁉ 「ただいまー」 「お邪魔します」