「うん。図書館で逢った。……この手の話、サイコって思う? だったら報告しにくいんだけど……」

……前世の恋人とか、まあファンタジーな分類だよな。

でも、こと玲に至っては、

「玲がその人をずっと探してるのは知ってるから、俺も悪い方には思わないと思う」

今までの経験から、それが嘘とは思えない。

玲は軽く息をついた。

「なら話す。図書館で何回か見かけてて、あの子だってわかった。すぐに声かけたかったけど、いきなり前世の恋人です、なんて名乗れないだろ?」

「常識があれば言わないな」

「だから、向こうからも気づいてくれないかなって最初の頃はこっちから接触しなかったんだけど、全然脈ナシで……俺から話しかけたら、案の定やばい人だと思われた」

「ああ……うん」

案の定だったんだ……。

「それからまあ色々あったけど、今は無事に彼女です」

「省略するのか」

「省略させて」

玲は顔の前に手を立てて、ごめんのポーズ。

……これは、経緯については深くは突っ込めないな。

「どんな人なんだ?」