「……うん」
肯き顔をあげて、那也お姉ちゃんを見る。
「考えすぎ」
「……え？」
「だから、ただの考えすぎ」
にこっとしたキレイな笑顔で、那也お姉ちゃんはバッサリ言って来た。
か、考えすぎ……？
唐突な言葉にボケッとした私にお兄ちゃんが「羽咲」と呼びかけて来た。
「言っとくけど那也、恋愛に関しては結構クールだぞ」
「そうなの？」
恋愛にクールっていう類の発言なのかな……。
それとも、他の人から見ても考えすぎなことなのか、那也お姉ちゃんにとっては考えすぎなことなのか……。
後者だったらお兄ちゃんの言う通りになるのかも。
「うーん、私も、由羽くんがあんな強引な告白してこなければ、由羽くんのこと好きでも付き合うとか面倒くさがってたと思うなあ。自分が渦中だったときは色々悩んだけど」
好きでも付き合うの面倒くさい⁉
「お兄ちゃんすごい人落としたね⁉ と言うか強引な告白ってなに⁉」
お兄ちゃんを見てから、期待に満ちた目で那也お姉ちゃんを見ると、那也お姉ちゃんはふふっと笑った。
