「羨ましいか? 二人にしてやるけど、お前風邪ひいてんだから何かしたら駄目だからな?」
「なんてこと言うの! さっさと行くよ!」
美結さんに怒られた想さんは、「羽咲、あとで昼飯持ってくるからな」と、私の頭を軽く撫でて、美結さんに連行されていった。
……うーむ。毎度のことながら嵐のようなご夫婦だ……。
「うー。ここ座って」
「? うん」
起き上がったまま、ベッドに座った格好の総真くんに言われた通り、位置を変えてベッドの下に座り直す。
するといきなり髪の毛をかき混ぜられた。
「総真くん?」
「駄目だろ、想なんかに触らせちゃ。ど天然菌がうつる」
「………」
それ、総真くんが既に罹患しているやつでは……。
「うつらないよ、そんなの」
「駄目。うつる。最悪、うーを失う」
「ど天然菌で死ぬの⁉」
致死毒だったの⁉ そんなわけあるか、と思いつつ、総真くんが真剣だから笑うことは出来なかった。
「……あの、総真くん?」



