「はい。本当ですよ?」
「……これ見せつけられても説得力ないな……」
「――うーに何吹き込んでんだよ想」
険しい声で総真くんが入って来た。
話声で起きちゃったのかな。
「悪い、起こしたか」
「想が入って来たから起きちゃったよ。と言うか、想に言えたことじゃないことばかり言いやがって」
ぶつぶつと愚痴モードが入ってしまった総真くん。
想さん相手だとすぐこうなるんだよなあ。可愛いんだけど。
「想? 帰ってるの?」
想さんから少し遅れて、美結さんも帰って来た。
ドアの隙間から顔をのぞかせてから入って来た。
「任せちゃってごめんね、うーちゃん。ほら、想はリビングでも行こう。うーちゃんと二人っきり邪魔したら総真が拗ねるから」
そんなことないと思うけどなあ……とか、私がのんびり考えている間に、想さんが近づいてきた美結さんの腕を引いて頭を下げさせて、唇にキスした。
「おかえり、美結」



