「え、なんか用事出来たとか?」
また目を見開いて、少し驚いたような口調で言って来た。
「ううん。美結さんに了解もらっているとはいえ、病気でしんどい総真くんの傍にべったりくっついてたら、ちょっと鬱陶しいかなって……」
傍にいてほしいときもあるだろうけど、傍にいられると気を使っちゃうこともあるよね……。
「ない、それはないよ。……ちゃんとマスクしてるでしょ?」
「? うん」
「じゃあ、ここにいて。うーにここにいてほしい」
「……っうん!」
マスクをしたまま、大きく肯いた。
「でも、風邪うつしちゃったら……」
「総真くんの風邪とか大歓迎です」
前のめりになって言うと、総真くんが半眼になった。
「うー……その発言はやめて?」
「え? あ、ごめんなさい?」
気を悪くしちゃったかな……。
不安に思って、続ける言葉に迷っていると、
「うー、……プリン食べたいです」
総真くんのその言葉に、私の頭は一気に晴れた。



