俺のこと好きでしょ?-六花の恋-【完】


それが、私がずっとほしくて、これからもほしいものだ。

今まで総真くんの近くにいられても、玲くんやお兄ちゃんがいたから、《一番傍》は私だけのものになったことはないから。

たぶん、恋人と呼ばれる存在くらいにならないと、ゆるされないものだと思う……。

「いいよ」

「……へっ?」

「ってか、俺の一番傍はずっとうーだよ?」

「え? あ、あの……え?」

私の理解が追いつかないでいると、総真くんは、まだ胸元をつかんでいる私の手に自分の手を重ねて来た。

「俺としては、ずっと一番傍にいたのはうーだと思ってた。うーは違った?」

そうだったの……⁉

「ち、違ったもなんも、お兄ちゃんとか玲くんとか景お兄ちゃんとか、ずっと一緒だったから……男子同士の方が話も合うでしょ? 私、水都ちゃんと一緒にみんなのこと見てることが多かったから……」

私の答えに、総真くんは何度か瞬いた。

……総真くんはそうじゃなかったのかな?