「いいよ。言って? うーの声、聞きたい」
私の声? ……ううん、私の心の声だよ? 勝手でワガママな声で、総真くんには重荷かもしれない……。
言わない、というように唇を噛んだ私を見て、総真くんは困った顔になった。
「俺、うーの可愛い声聞きたいんだけどなあ……」
「………」
「うーが俺のこと好きだって知って、すごい嬉しかったんだけどなあ……」
「……っ」
「うーが喋ってくれないなら、俺もううーと話できなくなっちゃうのかなあ……?」
「……っっっ! できる! できます!」
負けた。ひょっこりと惚れた弱みが顔を出した……。
叫んだ私を見て、総真くんは満足げに肯いた。
「うん。じゃあ、話して? うーのこと、もっと知りたいんだ。うーがしてほしいこととかあったら、たくさん聞きたい」
「……………いたい」
「うん? ――っ?」
聞こえなかったようで訊き返してきた総真くんの胸ぐらをつかんでしまった。
なんかもうヤケになっていた。
「私が総真くんの一番傍にいたい!」



