俺のこと好きでしょ?-六花の恋-【完】


……ううん。きっと、フラれても好きなままだ。

それでも、

「総真くんが、自分のことは完全に諦めろ、くらい言ってくれないと、総真くんの返事を待つのもやめられない。だって私、今も楽しいんだ。告白して、そのときの答えをもらって、今までよりも一緒にいることが出来るようになって……私には夢みたいなことだったよ。だから……怖がらないで、とは言えないけど、気負わないで。私に早く答えなくちゃ、とか、思わないで大丈夫だよ。私が勝手に好きでいるだけなんだから。だから……私が死んじゃう前に返事をもらえたら、くらいでもいいの……――っ?」

「―――」

いきなり、総真くんの腕の中に閉じ込められた。

背中に総真くんの両腕がまわって、きつく抱きしめられている。

「総真くん?」

心臓は一気に早くなったけど、いきなりのことに頭はむしろ冷静だった。

「ごめん、うー……ありがとう。でも、そんなこと言わないで。死ぬ前に、なんて、言わないで……」

総真くん、泣いてる……? そっと、私も総真くんの背中に腕を回して。

抱き寄せるほど力はこめなかったけど、抱きしめ返した。

「そうだね。私たち、今、ここに生きてるもんね」

ごめんね、と言うのは違う気がして、それを口にはしなかった。