総真くんに生まれた時から片想いをしている身としては、舞い上がる言葉だ。
真面目に答えた私に、総真くんはくしゃっと笑った。
「ばかだなあ、うー」
頬に手を添えたまま、こつんと額をくっつけてきた。総真くんの目線が下げられる。
わわっ、近い! これは停止するやつだ!
「本当に……もうあの人には逢わせたくない」
「………」
「……うー? ……あの、うー? 大丈夫? ……って、息してるっ⁉」
がばりと額を離されて、蒼い顔した総真くんが見えた。
ぜーはーと荒く息を吸い吐く私を見て、総真くんが両肩をつかんできた。
「なんで息止めてるの!」
「そ、総真くんが美しすぎて時間が止まってた……」
怒鳴った総真くんのこしを折ったわけではないのだけど、またぽかんとされた。
それから、今度は総真くんが長く息を吐いた。



