あんな辛辣な扱い初めて見たよ。
……あ、いやでも想さんにもあんな感じだったかな……?
「うん、大嫌いだから」
辛辣! しかも笑顔!
「そ、そそそ総真くん? 桑島さんと何かあったの……?」
言った途端、むぎゅ、と両頬をつねられた。
「しょうはくん……?」
うまく口がつぐめずに変な呼び方になってしまった私にかまわず、総真くんはニコニコ笑顔で私のほっぺたを引っ張って遊んでいる。
「あの人のこと名前で呼ばないで」
ではなんと呼べと。
私の先輩なわけではないし……。
「いはいれす……」
「あ、ごめん。強かったね」
つねっていた手を離して、今度は両頬を撫でてくれる。
う……頭沸騰しそう……。
「……苗字以外で呼び方わかんない……」
「もう、うーが逢うこともないから存在を記憶から抹消しておいて」
「そこまで嫌いなの⁉」



