「司羽咲です。総真くんの幼馴染です」
「幼馴染⁉ こんな可愛い子が⁉ お前人生どんだけイージーモードだよふざけんな!」
どうして私の自己紹介が原因で総真くん罵るんですか。
ここはキッパリ否定しておかないと。
「総真くんは悪くないです! 私が一方的に生まれた瞬間に惚れただけなんで!」
私の生まれた瞬間イコール総真くんを初めて見たときですから!
私の力説に、桑島さんは呆れたように顔の前で手を振った。
「いや別に総真を悪くは言ってないよ? ちょっとしたひがみと言いますか。……うさちゃん? が総真を好きで、総真はうさちゃんのこと自分のものだと思ってるのになんで付き合ってないの?――」
「はわっ⁉」
桑島さんの言葉が終わるか終わらないかというところで、総真くんに抱き上げられてしまった。
いわゆる、姫抱き。
「うーのこと見んな」
「……お前さっきからなんなの?」
総真くんの暴挙? に目をシロクロさせる私をはさんで、総真くんと桑島さんがトゲのあるやりとりをしている。
「そんだけ溺愛しといてキープは趣味悪いんじゃね?」



