俺のこと好きでしょ?-六花の恋-【完】


総真くんと声が重なった。

玲くんに前世の記憶があるっていうのは、幼馴染組(今命名した。総真くん、お兄ちゃん、景お兄ちゃん、玲くん、水都ちゃん、なゆお姉ちゃん、私)はみんな知っている。

そして玲くんが、前世の恋人だった人をずっと探しているということも。

玲くんから進んで話すことはないんだけど、聞いたら教えてくれるといった感じ。

「そっかー。そのセンは考えてなかった。でも、それだったらいいね」

「もし出逢えてたらすごいことだよね」

そして私たちの誰一人として、玲くんの記憶を疑ったりしない。

玲くんがそう言うんだからそうなんだろうな、って思わせるのが、玲くんだから。

「うーは前世の恋人とか興味ないの?」

「私? 私は生まれたときから総真くんだけだから……」

い、今更ながら照れ照れしてしまった。何回も好きって言ってるのに……。

恥ずかしくなる私の隣で、総真くんがつぶやいた。

「……うーに前世の恋人とか現れたら、どうなるんだろう……」