俺のこと好きでしょ?-六花の恋-【完】


まさか――そう思って、少しだけ顔をあげて、目線を上に向けると……あ。

総真くん、すごく真面目な顔をしていた。でも、耳が紅くて……なんとなく、告白した日の総真くんを思い出した。

「しばらくお店続くから、寄りたいとこあったら言ってね」

けれどすぐさま、いつもの、にこぉっとした総真くんスマイルになった。

ありゃ? 今の……私の見間違い?

「うん」

肯けたけれど、さっきの顔……見間違いにしては、鮮明に記憶に焼き付いてしまった。

総真くんって基本ににこにこしてるから、真顔って珍しいんだよね。

「そういえば総真くん、生徒会はどう?」

入学早々、生徒会に無理やり参加させられたことは聞いている。

「んー、楽しいんだけど、会長が苦手」

「へー……え、苦手?」

「うん。なんかいちいち腹立つの」

なんと! 全人類と仲良くできそうな総真くんに苦手な人がいたとは!

「総真くんにも苦手な人っているんだ」