『総真、今日から由羽とうーちゃん、しばらくうちにいるからね』
『うん。俺も二人のそばにいる。だから美結は咲雪さんの心配してあげて』
『……ありがと、総真』
僕は出来るだけ、うーの傍にいるようにした。
そうすると、由羽は僕らの傍にいたから。
元気はつらつなうーは口数も少なくなって、その頃お気に入りだったぬいぐるみを、ずーっと抱きしめていた。
由羽はこの頃からダウナー入っていたから、テンション的にはそれまでと差はないように見えたけど、沈んでいるのはわかった。
二人がうちに来た最初の日。
和室に布団を敷いて、三人で寝ることになった。
豆電球をつけてうーを真ん中にして川の字になって、僕はうつらうつらとし出した。
夢うつつの境で、小さなうーの声を聞いた。
『おにいちゃん……さわちゃん……どこ?』
由羽の方に体を向けているうーが、由羽にしがみついてそう言っていた。
うーの頭を撫でようとして僕がうーの方に手を伸ばすと、由羽が目線で遮って来た。
『咲羽は、ちゃんといるよ』



